2025/09/07
発達障害と自己肯定感の低さ
■ はじめに
「どうせ自分はダメだ」
「また失敗して怒られるに違いない」
「周りの人と比べると、自分は劣っている気がする」
そんな気持ちを抱いていませんか。
発達障害の特性を持つ方の中には、自己肯定感が低くなりやすい方が少なくありません。
しかし、実際、発達障害と言われる人は、才能の持ち主です。
決して「性格が弱いから」や「努力不足だから」ではありません。
特性と環境のミスマッチが続いた結果、注意されたり、失敗体験が積み重なったりすることで、「自分はダメだ」と感じやすくなるのです。
けれど、自己肯定感は生まれつき決まるものではなく、工夫や支援を通じて少しずつ育て直すことができます。
ここでは、自己肯定感が下がりやすい理由と、心を回復させる工夫についてお伝えします。
■ 自己肯定感が下がりやすい理由
注意される経験が多い
書類の提出忘れや約束の失念など、繰り返し指摘されることで「自分はできない」と思いやすくなります。
集中や切り替えが難しい
興味あることに熱中しすぎたり、反対に集中が続かなかったりすることで「努力不足」と誤解されやすいです。
周囲との比較
他の人が簡単にできることが難しく、「自分だけが劣っている」と感じてしまうことがあります。
過去の積み重ね
子どもの頃から「ちゃんとしなさい」と言われ続け、自分を責める癖がついている場合があります。
■ 自己肯定感を回復させる工夫
小さな成功を見つける
「今日は忘れ物をしなかった」「5分集中できた」など、小さなできごとを日記に書き留めるだけで、「できていること」が見えるようになります。
失敗を具体的に振り返る
「また片づけられなかった」と思うのではなく、「今日は10分しか片づけ時間がとれなかった」と具体的に言い直すと、改善の工夫が見えやすくなります。
強みに意識を向ける
興味のあることに集中する力や、細部へのこだわりは大きな強みです。「できないこと」だけに目を向けず、得意な部分を活かすことが大切です。
信頼できる人に気持ちを話す
自分を否定せずに受け止めてもらう経験は、「自分には価値がある」と感じるきっかけになります。
完璧を求めず70点でよしとする
「全部できなきゃ意味がない」ではなく「これくらいで十分」と思えると、心の負担がぐっと軽くなります。
■ 実践のコツ
夜に3分日記を書く
今日できたことを一つだけ書き出すことで、「できなかった」より「できた」に意識が向き、自己否定が和らぎます。
付箋で成功リストを作る
小さな成功を書いて壁に貼り、1週間分をまとめて見ると、「思ったよりできている」と実感できます。これは「自分に対する信頼」を取り戻す助けになります。
声に出して自分を認める
「今日はよく頑張った」「これで十分」と言葉にすることで、脳が「自分は頑張れている」と受け取りやすくなります。
誰かにシェアする
成功したことを信頼できる人に伝えると、相手からの肯定が加わり「自分の価値」を実感しやすくなります。
ごほうびを用意する
行動の後に好きなお茶を飲む、音楽を聴くなど小さなごほうびを設定することで「行動する=気持ちが良い」と脳が学習しやすくなります。
■ よくあるQ&A
Q1. 大人になってから自己肯定感の低さに気づく人は多いですか?
A. はい。仕事や家庭で困りごとが目立ち、自分を責めて気づく方が多くいます。
Q2. 自己肯定感は本当に高められますか?
A. はい。小さな成功を重ねることで「できる自分」を再確認し、少しずつ高めることが可能です。
Q3. 子どもの自己肯定感を育てたいときは?
A. 「できたこと」を具体的に褒めてあげると効果的です。「ありがとうって言えたね」など、些細なことでも十分です。
Q4. 発達障害があると自己肯定感は必ず低いのでしょうか?
A. いいえ。支援や環境の工夫があれば、強みを活かして自信を育てることができます。
Q5. カウンセリングでできることは?
A. 自己否定の背景を整理し、自分の強みや工夫を一緒に見つけていきます。安心して気持ちを話せる場になります。
■ 最後に
発達障害の特性があると、どうしても「できないこと」に意識が向きがちです。
でもそれは「工夫するきっかけ」でもあります。
自己肯定感は生まれつき決まっているものではなく、日々の経験や習慣で育て直すことができます。
もし「自分はダメだ」と思い込んでつらいときは、一人で抱え込まなくても大丈夫です。
自分はダメだと思っていることも、真実ではないことがたくさんあります。
Amazing Grace では、安心して気持ちを話せる環境で、それを一緒に見ていきます。
どうぞ無料相談を気軽にご利用ください。