得意・不得意マップを作ってみよう 〜自分だけの“取扱説明書”を言葉にする〜

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得意・不得意マップを作ってみよう

〜自分だけの“取扱説明書”を言葉にする〜

はじめに

「自分の得意なこと、言葉にできますか?」
そう聞かれて、すぐに答えられる人は意外と少ないものです。

「これが好き」「これはちょっと苦手」――
頭の中ではなんとなく分かっていても、いざ人に伝えようとすると
「ちゃんと説明できない」「わがままに思われそう」と戸惑うことはありませんか。

特に発達特性を持つ方は、得意と不得意の差がはっきりしていることが多く、
それを無理に隠したり“みんなと同じ”に合わせようとすると
心も体も大きな負担を抱えてしまいます。

そんなときこそ、自分だけの**「取扱説明書」**を作ることが役立ちます。
それは履歴書でも自己PRでもなく、
自分を大切にするためのやさしい記録。
自分の特徴を言葉にすることで、暮らしも仕事も驚くほどラクになります。

これから一緒に、安心しながら「得意・不得意マップ」を作るステップを歩いていきましょう。

こんなサインがあったら、今がチャンス

「頑張っているのに評価されない」と感じることが増えた

苦手な作業でエネルギーを使い切ってしまう日が多い

自分の強みを人にうまく説明できない

新しい職場や学校で、どこまで話していいか迷っている

これらは「自分の特徴を言葉にして整理するタイミングですよ」という
心からのやさしい合図かもしれません。

得意・不得意マップを作るステップ
1. 1日の行動を“気持ち”と一緒にメモする

朝起きてから夜眠るまでを思い出し、
どの瞬間に「楽しい」「やる気が出た」「疲れた」と感じたかを短く書き出してみましょう。
例:「朝の散歩でリフレッシュ」「人混みのスーパーでぐったり」など、ほんの一言で十分です。

2. 色分けして視覚化する

書いたメモを赤(苦手)・青(得意)などに分けてマーク。
紙いっぱいに色がつくと、自分の“心が喜ぶこと”“エネルギーを消耗すること”が
ひと目で分かります。

3. 分野ごとにまとめる

「人との会話」「集中作業」「体を動かす」など大まかにカテゴリー化。
得意分野の中に、「これは仕事に活かせるかも」と思える意外な強みが見つかることも。

4. “助けてほしいこと”も書き添える

苦手をただ並べるだけではなく、
「電話が苦手なのでメールで連絡をもらえると助かります」など
周囲にお願いしたいことを一言加えておくと、共有しやすくなります。

実践のコツ(理由を添えて)

強みから先に書く
まず得意をリスト化すると「自分には力がある」という実感が芽生えます。
その自信が、不得意に向き合う勇気を支えてくれます。

苦手は“工夫ポイント”
苦手は「できない」ではなく「工夫が必要な場所」。
例えば「書類整理が苦手」なら、アプリやファイルの仕組みを整えるなど
対策を考えるヒントにしてみましょう。

一度で完成させなくていい
人は成長や環境の変化で、得意も不得意も変わります。
定期的に見直して“今の自分”にアップデートすることが大切です。

共有は信頼できる人から
いきなり職場全員に話す必要はありません。
まずは家族や友人、安心できる人に見てもらうだけで大きな一歩です。

よくあるQ&A

Q1. 得意が思い浮かばず紙が真っ白になります。
A. まずは“人から褒められたこと”や“時間を忘れて夢中になった瞬間”を思い出してみましょう。
自分では当たり前でも、他人から見ると大きな強みであることはよくあります。

Q2. 苦手を書いたら落ち込みそうです。
A. 苦手は“欠点”ではなく“サポートが必要なポイント”です。
書いて可視化することで、むしろ心が軽くなり、対策が見えてきます。

Q3. 職場に伝えると評価が下がるのでは?
A. 必要な範囲だけを具体的に伝えれば、
「力を発揮できる環境を一緒に作れる人」として理解されることが多いです。

Q4. 家族やパートナーにどう伝えればいいですか?
A. 「これは得意だから任せて」「この作業は一緒に手伝ってほしい」など
具体的なお願いとして伝えると協力してもらいやすくなります。

Q5. 書いているうちに気持ちが疲れてしまいます。
A. 無理に一気にやらなくて大丈夫。
お気に入りの音楽をかけたり、温かい飲み物を用意して
“自分をいたわる時間”として少しずつ進めてみてください。

最後に

自分の得意・不得意を言葉にすることは、
「人に合わせるため」ではなく自分を大切にするためのやさしい作業です。

得意を知ると自信が芽生え、不得意を知ると工夫が見えてきます。
どちらも、あなたがあなたらしく生きるための大切な情報です。

もし「一人では整理しきれない」「誰かと一緒に見つけたい」と感じたら、
Amazing Grace では安心して話せる場をご用意しています。
あなたの“取扱説明書”を一緒に作りながら、
自分らしい働き方・暮らし方を見つけるお手伝いをいたします。