「期待に応える自分」を生きすぎてきたあなたへ ―― 期待に応えられなかった過去の私は、本当に価値がなかったのか?

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「期待に応える自分」を生きすぎてきたあなたへ

―― 期待に応えられなかった過去の私は、本当に価値がなかったのか?それとも“別の自分”がそこに隠れていただけなのだろうか?

「うまくできなかった自分」
「期待に応えられなかった自分」
その記憶を思い出すと、胸の奥が少し痛むことはありませんか。思い出さないようにしてきた過去。
なかったことにしたかった出来事。
振り返るたびに、「あのときの自分はダメだった」と感じてしまう瞬間。けれど、その過去は本当に
「価値のない自分」を証明するものだったのでしょうか。

それとも――
ただ、当時の環境では生きられなかった
“別の自分”が、そこに隠れていただけなのではないでしょうか。


1.期待に応えられなかった記憶が、心に残り続ける理由

私たちの心は、不思議なほど、
「できたこと」よりも「できなかったこと」を強く覚えています。

特に、
期待に応えることで愛されてきた人ほど、
応えられなかった瞬間を「失敗」ではなく、
「自分の価値の欠如」として抱え込みやすくなります。

あのとき、うまく振る舞えなかった。
あの役割を果たせなかった。
誰かをがっかりさせてしまった。

その記憶は、
「もう二度と、同じことを繰り返さないための警告」として、
心の奥に残り続けます。


2.「期待に応えられない自分」は、排除されてきた

期待に応えられなかった自分を、
あなたはどう扱ってきたでしょうか。

責めたでしょうか。
恥ずかしいと思ったでしょうか。
思い出さないように、心の奥に押し込めたでしょうか。

多くの場合、私たちは無意識に、
「役に立たない自分」「弱い自分」を切り離すことで、生き延びてきました。

それは冷たさではなく、
当時のあなたにとって、必要な選択だったのです。


3.価値がなかったのではなく、居場所がなかっただけ

ここで、少し視点を変えてみてください。

あのときのあなたは、
本当に「価値がなかった」のでしょうか。

それとも、
その環境、その役割、その関係性の中では、
生きにくかっただけなのではないでしょうか。

魚が木に登れなかったからといって、
魚の価値がなくなるわけではありません。

あなたも同じです。
合わない場所では、力を発揮できなかっただけなのです。


4.「別の自分」は、ずっとそこにいた

期待に応えられなかった過去の中には、
今まで見ないふりをしてきた「別の自分」がいます。

無理をしなかった自分。
ついていけなかった自分。
立ち止まった自分。

それらは、失敗ではなく、
あなたの心が限界を知らせてくれたサインだったのかもしれません。

当時は受け取れなかったそのサインが、
今、もう一度見つめ直される時を待っています。


5.過去を肯定する必要はない

誤解しないでください。
過去を「良かったこと」に塗り替える必要はありません。

つらかったなら、つらかったでいい。
苦しかったなら、苦しかったでいい。

大切なのは、
あのときの自分を「なかったこと」にしないことです。

価値がなかったのではなく、
ただ、必死に生きていただけだった。


6.よくある心のQ&A

Q1.過去の失敗を思い出すと、今でも苦しくなります。

A.
それだけ、当時のあなたが真剣に生きていた証です。
無理に手放さなくて大丈夫です。少しずつ、距離を取り直していけばいいのです。

Q2.「別の自分」を受け入れるのが怖いです。

A.
怖さがあるのは自然です。
それは、今まで一生懸命守ってきた価値観が揺れるからです。

Q3.期待に応えられない自分は、やはりダメなのでは?

A.
ダメなのではなく、合わなかっただけです。
価値と適性は、別のものです。

Q4.過去を振り返ると、後悔ばかりです。

A.
後悔が出てくるのは、今のあなたに余裕が生まれてきた証です。
当時は振り返る余地もなかったのかもしれません。

Q5.今さら自分を肯定する意味はありますか?

A.
あります。
自分を肯定することは、過去を変えるためではなく、これからを生きるためです。


7.人生の終わりに、どんな自分を思い出したいか

人生の終わりに思い出すのは、
うまくできた自分だけではないはずです。

つまずいた自分。
泣いた自分。
期待に応えられなかった自分。

それらすべてを含めて、
あなたの人生でした。

どうか、過去の自分を切り捨てないでください。
そこには、今のあなたにつながる大切な一部が、確かにあります。


8.カウンセリングという、過去と出会い直す場所

もし、
過去を思い出すたびに苦しくなるなら、
ひとりで抱えなくて大丈夫です。

カウンセリングは、
過去を分析する場所でも、
正しい解釈を押しつける場所でもありません。

置き去りにしてきた自分と、安全に出会い直す場所です。

話せなくてもいい。
整理できていなくてもいい。

あなたのペースで、
あなたの人生を取り戻していく時間を、
一緒に歩めたらと思っています。

どうか、ひとりで抱えすぎないでください。

Amazing Grace
内田梓