相手の感情を優先しすぎるときに、心が疲れてしまう理由 〜 “我慢のやさしさ”から“つながるやさしさ”へ 〜

  • HOME
  • ブログ
  • 相手の感情を優先しすぎるときに、心が疲れてしまう理由 〜 “我慢のやさしさ”から“つながるやさしさ”へ 〜

相手の感情を優先しすぎるときに、心が疲れてしまう理由   〜 “我慢のやさしさ”から“つながるやさしさ”へ 〜

*はじめに

「相手が悲しむ顔を見るのがつらい」
「頼まれると、どうしても断れない」
「自分のことより、相手を優先してしまう」

そんなことはありませんか。

あなたが優しい人である証拠です。
相手の気持ちを考えられることは、本来とても素敵なこと。
でも、その“優しさ”が自分を苦しめる方向に働いてしまうと、
心が静かにすり減っていきます。

最初は“思いやり”だったのに、
気づけば“我慢”に変わってしまう。
その小さな積み重ねが、知らないうちにあなたを疲れさせてしまうのです。

今日は、「相手の感情を優先しすぎてしまう」あなたへ。
なぜそうなってしまうのか、そしてどうすれば**“やさしさ”を保ちながら心を守れるのか**、
心理的な理由を添えてお伝えします。

1.なぜ相手を優先しすぎてしまうのか

私たちは、誰かと関わるときに「安心」を求めています。
そのため、関係が壊れそうな予感がすると、無意識に**“自分を抑える”**という方法で
相手との距離を保とうとします。

しかし、そうした“適応”が長く続くと、
次のような心のメカニズムが働いてしまうのです。

(1)「嫌われたくない」という恐れ

心理学では「対人不安」と呼ばれる感情です。
人から拒絶された経験や、過去の小さなトラウマが影響して、
「自分を主張すると、関係が壊れるのでは」と感じてしまうのです。

(2) “良い人”でいたいという思い込み

幼いころから「人に迷惑をかけてはいけない」「我慢するのが大人」
と教えられてきた方は、**「自分を抑える=正しいこと」**という無意識の信念を持ちやすい傾向があります。

(3)共感力の高さ

敏感な人(HSP傾向など)は、相手の表情やトーン、沈黙からも感情を読み取ります。
そのため、相手の感情を“自分のもの”のように感じてしまい、
心の境界線が曖昧になりやすいのです。

(4)「断ること=悪いこと」と思ってしまう

頼まれたときに断れないのは、罪悪感を強く感じるため。
“断る=冷たい人”という誤解を抱えていると、
自分のキャパを超えても無理をしてしまいます。

(5)「感情の整理」が後回しになる

相手の気持ちを感じ取ることに集中するあまり、
自分の感情を見つめる時間が減ってしまいます。
その結果、「私はどうしたいのか」がわからなくなり、心が混乱してしまうのです。

2. “優しさ”と“我慢”は似ているけれど違う
優しさ               我慢
自分も相手も大切にしている 相手を優先して自分を犠牲にしている
行動のあとに“あたたかさ”が残る 行動のあとに“モヤモヤ”や“疲れ”が残る
自然なエネルギーからの行動 義務感や不安からの行動

優しさは、自分の中から湧き出るもの。
我慢は、大人としても大切、でも自分を縛るものにもなる。

もし「やってあげたい」よりも「やらなきゃ」と思う回数が増えてきたら、
それは心が疲れ始めているサインかもしれません。

3.自分を大切にするための3つの練習
🌿 ① 感情を観察する時間をもつ

「私は今、何を感じている?」
「本当はどうしたかった?」

たったこれだけの問いを、自分に向けるだけで心が落ち着きます。
なぜなら、感情は“気づかれることで癒える”からです。

特に、夜の静かな時間やお風呂の中など、
安心できる場所で自分の心に耳を傾けてみてください。

🌸 ② NOを伝える練習

断ることは、関係を壊す行為ではなく、関係を健やかに保つ行為です。
境界線を明確にすることで、あなたも相手も無理をせずにすみます。

たとえば:

「今は少し難しいけれど、またタイミングが合えば」

「あなたの気持ちはわかるけれど、今日は自分を休ませたい」

このように「相手を思いやる言葉+自分の気持ち」を組み合わせて伝えると、
やさしく、誠実にNOを伝えられます。

🌼 ③ 自分への優しさを日常に戻す

人に向けていた優しさを、少しだけ自分にも向けてみてください。

温かいお茶を丁寧に淹れる

“何もしない”時間を10分つくる

「今日もよく頑張ったね」と心の中でつぶやく

こうした小さな行為の積み重ねが、
「私は私を大切にしていい」という感覚を取り戻してくれます。

4.境界線を描くことは、やさしさを守ること

相手の感情を感じ取る力は、あなたの大切な才能です。
でも、その才能を守るには**“心の境界線”**が必要です。

心理学では、境界線(バウンダリー)は「自分と他者の間にある見えない線」と言われます。
それを意識できるようになると、次のような変化が起こります。

相手の感情を「自分の責任」と感じなくなる

人の機嫌に左右されにくくなる

無理をせずに人と関われるようになる

これは「距離を取る」というより、
**“関係を健やかに保つ知恵”**です。

5. “我慢のやさしさ”から“つながるやさしさ”へ

我慢から生まれる優しさは、いつか限界がきます。
でも、つながりから生まれる優しさは、あなたを疲れさせません。

自分を大切にしながら人を思う。
そのバランスが整ってくると、
人間関係はより穏やかに、深いものへと変わっていきます。

よくあるQ&A

Q1. 断ると嫌われてしまいそうで怖いです。
→ 実際には「きちんと断る人」のほうが信頼されることが多いです。
相手も、あなたが無理をしているより“誠実に伝えてくれる”ほうが安心します。

Q2. 罪悪感が消えません。
→ それは「自分より他人を優先してきた歴史」があるから。
新しい考え方を取り入れていくには時間が必要です。 少しずつ、 “自分を大切にする=人を大切にする”と心に置いてください。

Q3. 相手の感情に引きずられてしまいます。
→ 感情を分ける練習をしてみましょう。
「これは相手の気持ち」「これは私の気持ち」と言葉にするだけで、心の整理が進みます。

Q4. 優しさと冷たさの境界がわかりません。
→ 優しさは“温かさ”が残ります。
冷たさは“罪悪感”が残ります。
行動したあとにどんな感情が残るかで見分けてみてください。

Q5. 一人で抱えすぎて苦しくなるときは?
→ それは、心が「助けて」と言っているサインです。
誰かに話すことは、弱さではなく回復の始まりです。

おわりに:あなたのやさしさを“自分を守る力”へ

あなたが人の感情に寄り添えるのは、
人の痛みを感じられる深い心を持っているから。
そのやさしさを失う必要はありません。

ただ、これからはその優しさを**“自分にも”**向けてみてください。

人を大切にするように、自分を大切にすること。
それが、あなたの心を守り、人生をもっと穏やかにしてくれます。

🌷 カウンセリングというもうひとつの「やさしさの場」

もし今、
「相手の気持ちばかり考えて、自分の気持ちがわからない」
「断ることが怖い」「人と距離を保つのが難しい」
そんな想いがあるなら、どうか一人で抱え込まないでください。

カウンセリングは、
“自分のやさしさを苦しみではなく安心に変える”ための場所です。

静かに話を聴いてもらうことで、
自分の本音や感情が少しずつ言葉になっていきます。
言葉になると、心は整理され、癒しが始まります。

💫 今日の小さな一言

「私は、相手を大切にしながら、自分も大切にしていい。」

🌿 Amazing Grace カウンセリングでは、
「人を思いやるやさしさを、我慢ではなく“力”に変えていく」
そんな心の整え方を一緒に探していきます。

あなたのやさしさが、自分を支える光に変わっていきますように。