あなたは生き物で、自然の一部」 忘れていた原点を取り戻すと、心は静かに整いはじめる

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「あなたは生き物で、自然の一部」
忘れていた原点を取り戻すと、心は静かに整いはじめる

私たちは、生まれたときからずっと自然の中で生きてきました。昔の人たちは、季節の匂いで明日の天気を感じ取り、風の流れで作物の収穫の時期を知り、太陽の動きとともに身体を休めてきました。

けれど現代に生きる私たちは、気づかないうちに“自然より社会を優先する生活”の中で、生き物としての自分をそっと置き忘れてしまうことがあります。気温よりもスケジュールを優先し、季節の変化よりも締切を優先し、身体の声よりも他の誰かの期待を優先してしまう。

その結果、自然のリズムと心身のリズムが少しずつズレていき、理由のわからない疲れや慢性的な不調、息苦しさのような感覚が積み重なってしまうのです。うつのような落ち込みや不安、眠れない・眠りが浅いといった睡眠の悩み、自律神経の乱れを感じる方が増えているのも、自然から遠ざかった生活と無関係ではありません。

こうした「自然とのつながり」が弱くなる状態は、人間を“人工的に生きさせてしまう”ようなものです。自然の中で進化してきた身体にとっては、どうしても無理が出てくるのですね。

でも、安心してほしいのです。私たちは、完全に自然を失ってしまったわけではありません。いつでも、どんな場所にいても、自然とのつながりは私たちの周りに静かに存在しています。

今日は、そのつながりを思い出すためのひとつの問いを、そっとあなたに手渡したいと思います。

問い:私は日常のどの瞬間で“自然とのつながり”を感じられるだろうか?

この問いは、あなたが本来の自分に戻るための優しい扉のようなものです。

自然とのつながりは、もっとずっと近くにある

自然というと、森や海のような“大きな自然”を思い浮かべる方が多いかもしれません。もちろんそうした環境は素晴らしいものですが、生き物としての私たちを癒すのは、実はもっと小さな自然です。

朝、カーテンの隙間から差し込む光に気づいた瞬間。
仕事帰りに、風が頬に触れたときのひんやりした感覚。
ふと見上げた空の色が夕方のグラデーションに変わっていたこと。
雨の匂いを感じたとき、どこか落ち着く気持ち。
夜、静けさに包まれながら深呼吸をした瞬間。

こうした小さな自然のシグナルは、忙しい日々の中では気づかないほどさりげなくそこにあります。でも、あなたの身体はちゃんとそれを受け取り、心をゆるめる準備をしてくれているのです。

小さな自然を“感じた瞬間”というのは、生き物としての自分がそっと目を覚ます瞬間でもあります。その一瞬があるだけで、心は本来の場所に戻りやすくなります。

読みながら、少しだけ思い返してみませんか?
今日、あなたはどんな自然に触れましたか?

すぐに思い出せなくても大丈夫です。深呼吸をひとつして、ゆっくり今日をなぞってみると、小さな自然がいくつもあったことに気づくかもしれません。朝の光、風、空の色、鳥の声。自然から離れてしまうことなんて本当はできないのです。ただ、“気づけなくなっていた”だけなのかもしれません。

そのことに気づいた瞬間、あなたと自然とのつながりは確実に戻りはじめます。


よくあるこころのQ&A ― 自然の一部としての私を思い出すために

カウンセリングでも多くの方が、このテーマで悩まれています。ここでは特にご質問が多い内容を、少し丁寧にお話しします。

Q1:自然を感じた瞬間に涙が出てしまいます。弱いのでしょうか?

そんなことはありません。涙は、ずっと張りつめていた心が、やっと“安全な場所”を見つけた証です。生き物は安心すると身体が緩みます。涙は、自然とつながったからこそ流れた、とても自然で、美しい反応なのです。

特に、不安やストレスが続いていた方、睡眠が浅かったり心が休まらない状態が続いている方は、自然に触れた途端に涙があふれることがあります。それは正常で、とても健やかな回復のサインです。

Q2:都会に住んでいる私でも、生き物としての感覚を取り戻せますか?

もちろんです。都会にも空ひとつ、風ひとつ、光ひとつで自然は存在します。生き物が必要とする自然は“大きさ”ではなく“気づけるかどうか”です。日中の光や夕方の色の変化を感じるだけでも、自律神経は確実に整い始めます。

Q3:自然を感じる習慣が続きません。怠けているのでしょうか?

怠けているのではなく、疲れすぎているのです。疲れていると、自然に気づく余裕がなくなるのは当然のこと。続かない自分を責める必要はありません。

まずは1日数秒だけ、空や光を見上げてみるだけで十分です。自然へ向ける小さな意識は、うつ状態で気力が低下しているときにも無理なくできる“優しい回復の入り口”になります。

Q4:自然に触れても、心の変化をあまり実感できません。

自然の働きは“静かで深い”ものです。劇的な変化ではありませんが、心身の土台を少しずつ整えていきます。ある日ふと、朝が少し軽くなっていたり、呼吸が少し深くなっていたり、涙が出やすくなっていたり――その小さな変化はすべて自然が働いてくれている証拠です。

睡眠の質が改善する方も多く、眠れなかった夜が少しずつ穏やかになっていきます。

Q5:自然とつながると、本能が強く出てしまいそうで心配です。

本能は暴走するためのものではありません。むしろ自然とつながるほど、本能は静かに整っていきます。それは“あなたを乱す力”ではなく、“あなたを本来の方向へ導く力”です。

自然とつながるほど、判断はシンプルになり、ストレスによる思考の混乱が落ち着いていく方が多いです。


カウンセリングで「自然の一部である私」を取り戻すということ

Amazing Grace のカウンセリングでは、悩みの背景に“自然とのつながりの薄れ”があると感じたとき、あなたの日常の中にすでにある小さな自然を一緒に探していきます。

それは森に行くことではなく、今の生活の中にある自然を拾い直すような作業です。呼吸の深さや身体の温度、心が落ち着く瞬間、五感が目覚めるサイン――それらを丁寧に扱い、生き物としてのあなたが本来持つ回復力を取り戻していきます。


最後に ― あなたは、自然の一部として生まれてきました

あなたの身体は風や光を受け取り、心は季節や空の色に動かされるようにできています。もし今、心が締めつけられていたり、不安が止まらなかったり、眠れない・途中で目が覚めてしまう・朝起きられないなどの睡眠の悩み、理由もない疲れ、うつのような落ち込み、自律神経の乱れを感じているなら――それは自然から少し離れているサインかもしれません。

それは決してあなたが弱いからではありません。生き物であるあなたが、「少し苦しいよ」と静かに知らせてくれているだけなのです。自然と再びつながることで、呼吸は深まり、眠りは戻り、心の緊張はほどけていきます。

Amazing Grace のカウンセリングでは、うつ・不安・睡眠・自律神経・慢性疲労・ストレスなど、どんなテーマでも丁寧に寄り添いながら、あなたという“生き物”のリズムを整えるお手伝いをしています。

どうか安心して、いつでもご相談ください。
自然のようにやわらかく、あなたが再び穏やかさを取り戻す時間をそっと支えていきます。