「失敗=自分の価値の否定」という誤解をほどくやさしい時間 もし友人が同じ失敗をしたら、私はその人の価値をどう説明するだろう? それを自分にも向けられるだろうか?

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もし友人が同じ失敗をしたら、私はその人の価値をどう説明するだろう?
それを自分にも向けられるだろうか?

失敗すると、私たちはつい自分を厳しい目で裁いてしまいます。
「なんでこんなこともできなかったんだろう」「私はダメな人間なのかもしれない」
そんなふうに、自分にだけ厳しい言葉を向けてしまうことはありませんか?

ところが不思議なことに、同じ失敗を友人がしたとき、私たちはまったく違う反応を示します。

「そんなこと誰でもあるよ」「あなたの価値はそんなことで変わらないよ」
私たちは特別な努力をしなくても、友人には自然と優しい言葉をかけることができます。

では、なぜその優しさを自分には向けられないのでしょうか?
ここでは、その理由をやさしく解きほぐしながら、自分にも優しさを返す方法を丁寧にまとめていきます。


1. なぜ私は、自分にだけ厳しいのだろう?

まず知ってほしいことがあります。
自分にだけ厳しくしてしまうのは「優しさが足りないから」ではありません。
むしろその逆で、あなたがこれまで周りを思いやりながら一生懸命に生きてきた証なのです。

  • 責任感が強い
  • 相手の気持ちがよく分かる
  • 迷惑をかけたくない
  • 期待に応えようとする

こうした“優しさ”や“誠実さ”がある人ほど、
自分にだけは厳しい基準を課してしまうことがあります。


2. 友人に向けられる優しさは、本来あなたにも向けられるもの

想像してみてください。
大切な友人が失敗して落ち込んでいたら、あなたはどんな言葉をかけますか?

  • 「そんな失敗、誰にだってあるよ」
  • 「あなたの価値はそんなことで変わらないよ」
  • 「むしろ本当に頑張ってきたよね」
  • 「あなたの誠実さはちゃんと伝わってるよ」

あなたが友人へ向けるその優しさは、どれも確かな真実です。
そして、本来それはあなた自身にも向けていい言葉なのです。

それでもできないのは、
「自分だけ特別に厳しく扱わなければならない」という誤解が心の中にあるからです。


3. 自分にだけ厳しい基準を育ててしまった背景

これはあなたの性格の問題ではなく、
これまでの人生で積み重なってきた「心のパターン」によるものです。

よくある背景

  • 子どもの頃、失敗や間違いへの注意が多かった
  • 周囲から「しっかり者」を期待されてきた
  • 人を優先して、自分を後回しにすることが多かった
  • 過去の挫折やミスが強い記憶として残っている
  • 成果で認められてきた経験が多い

これらが積み重なると、
「自分だけは厳しくしていないと安心できない」という心の癖が育ちます。


4. どうすれば友人に向けた優しさを、自分にも向けられるのか?

① 行動ではなく「存在そのもの」を見る

友人の失敗を見ても、あなたは「それでも価値は変わらない」と思えるはずです。
その視点を自分にも向けてみてください。

行動は“人生の一部”。
価値は“あなたが存在していることそのもの”。

この切り替えは、心を穏やかにする大きな力を持っています。

② 友人にかける言葉を、そのまま自分に言ってみる

「あなたは頑張ったよ」「価値は変わらないよ」
これを“あなた自身に向けて”言ってみてください。

最初は違和感があって当然です。
ですが、3回、5回、7回と言葉をかけ続けると、
少しずつ心に沁み込むように変化していきます。

③ 優しさは誰に向けても価値があると知る

あなたが友人を励ませるのは、あなたの中にもともと優しさがある証拠です。
その優しさは、自分にも向けて良いものなのです。


5. 自分に優しさを向け始めると、心に起こる変化

  • 自分を責める時間が短くなる
  • 失敗しても立ち直るスピードが早くなる
  • 行動への恐れが減り、新しい挑戦がしやすくなる
  • 他人の評価が気になりにくくなる
  • 人間関係がやわらかく、温かくなる

これらの変化は、あなたの日常を大きくやさしく変えていきます。


6. 心の整理に役立つ Q&A(5つ)

Q1:友人には優しくできるのに、自分には厳しくしてしまいます。

理由:自分にだけ過度な責任を背負わせているためです。
対処:自分を「大切な友人のひとり」とみなし、同じ基準で接してみましょう。
効果:自責のパターンが薄れ、心が落ち着きやすくなります。

Q2:友人が失敗しても責めないのに、自分の失敗だけは許せません。

理由:“自分だけ例外”という誤解があるためです。
対処:友人に言うように「あなたの価値は変わらない」と自分にも伝えてみてください。
効果:価値と結果を切り離して考える習慣がつきます。

Q3:人に優しくすると自分が疲れてしまいます。

理由:優しさを“外側にだけ”向けていて、心のエネルギーが不足しているため。
対処:自分にも優しさを循環させる意識を持つ。
効果:疲労感が減り、人間関係のバランスが良くなります。

Q4:友人なら「誰にでも失敗はある」と言えるのに、自分には言えません。

理由:自己基準が高すぎるためです。
対処:「私も人間だから失敗する」と声に出してみてください。
効果:失敗への恐怖が和らぎ、挑戦がしやすくなります。

Q5:自分を励ます言葉が心に響きません。

理由:慣れていないだけで、方向が自分に向き始めた証拠。
対処:繰り返すほど、言葉の効力が増していきます。
効果:少しずつ“自己受容”が育ち、心が穏やかになります。


7. 自分に優しくすることは甘えではない

自分に優しさを向けることを「甘え」と感じる人は少なくありません。
しかし、優しさとは心を回復させるための大切なエネルギーです。

友人を励ませばその人が元気になるように、
あなた自身も優しさによって力を取り戻すことができます。


8. カウンセリングで起きること
― 「自分にも優しさを返せる心」を取り戻すプロセス

Amazing Grace のカウンセリングでは、
“なぜ自分にだけ厳しくなってしまうのか” を一緒にひもとき、
その奥にある価値観や傷つきやすさをやさしく丁寧に扱っていきます。

  • 初めて自分を責めずに済んだと感じられる
  • 友人に言うような優しい言葉を自分にも向けられるようになる
  • 失敗しても立ち直りが早くなる
  • 自分を大切にする感覚が分かってくる

カウンセリングは、あなたを変える場所ではなく、
あなたが本来の自分に戻っていく場所です。


9. 最後に ― あなたへ

もし今、自分にだけ厳しくしてしまう苦しさを抱えているなら、
どうかひとりで抱え込まないでください。

あなたが友人にかけた優しい言葉は、
本来、あなた自身にも届けていいものです。

その優しさがあなたの心をそっと包み込み、
もう一度“自分を信じる力”を取り戻す日が来ますように。

Amazing Grace は、いつでもあなたをお迎えする準備ができています。