2025/11/24
「頭の中が忙しすぎる」その疲れは、身体感覚を置き去りにした心のSOS
現代に生きる私たちは、とても“頭”を使う生活をしています。
仕事でも、学校でも、人間関係でも、
何かと「考えること」が求められ、
思考のスイッチが常にオンになり続けています。
ですが本来、人間は“生き物”として、
思考だけでなく 身体感覚と心のリズム の両方で生きる存在です。
身体が感じるサイン――
「疲れている」「眠い」「痛い」「呼吸が苦しい」「張りつめている」
こうした小さなシグナルに耳を傾けることは、本来の私たちの自然な生き方でした。
ところが現代は、
思考が常に前に出る生活になりすぎたことで、
身体の声が聞こえなくなってしまう人が増えています。
身体の声が聞こえないと、心は深く疲れていく
身体のサインを無視して生き続けると、
心身に次のような変化が起きやすくなります。
- 頭が働きすぎて眠れない
- 不安で考えが止まらない
- 呼吸が浅くなる
- 肩や首がずっと張っている
- 常に緊張している感覚がある
- 疲れが取れない・朝がつらい
- うつのような落ち込みが続く
- 自律神経が乱れやすい
これは「考えすぎているから疲れている」のではなく、
“身体の声を置き去りにしているから心が苦しくなる” のです。
身体感覚は、生き物としての私たちにとって最も大切なナビゲーション。
そこに蓋をしたまま思考ばかりが働くと、
心はどんどん不安定になってしまいます。
なぜ、思考ばかりが優位になってしまうのか?
その背景には、社会の中での過剰な要求があります。
・早く答えを出すことが正しい
・ミスしないことが偉い
・感情より理性が大切
・効率が最優先
・弱音を言わないのが大人
こうした価値観の中では、
身体の声より「考えて動くこと」が最優先されてしまいます。
ですが、身体は嘘をつけません。
無理をすれば必ずサインを出してきます。
そのサインを“思考の力”でねじ伏せ続けると
心と身体は完全にバラバラになり、
不安・睡眠障害・自律神経の乱れ・慢性的疲労などにつながっていくのです。
今日の問い:
私は最近、身体の声をどれくらい聴けているだろうか?
この問いは、あなたの心をやさしく身体へ戻す入り口になります。
・朝起きたとき、身体は軽かった?重かった?
・眠気を感じたとき、すぐに“頭”で我慢していない?
・お腹は空いている?いない?
・緊張していない?肩が固まっていない?
身体の声を聴けるようになると、
心はそれだけで落ち着き、不安が静まり、
深い呼吸が戻ってきます。
よくあるこころのQ&A ― 「身体感覚が戻らない」悩みへのやさしい答え
Q1:考えすぎてしまい、頭が止まりません。
それは「思考で生きすぎてきた」サインです。
頭を止める必要はなく、
身体のほうへ意識を戻すこと が大切です。
深呼吸をひとつする。
肩の力を抜く。
手の温度を感じる。
足の裏の感覚を確かめる。
こうした“身体に戻る小さな行動”が、
思考の暴走を静かに止めてくれます。
Q2:身体の声を聴こうとしても、何も感じません。
長い間、身体感覚を置き去りにしてきた人ほど、
最初は感じられなくて当然です。
感じない=悪い
ではなく、
「まだ凍っているだけ」です。
安心できる環境にいる時間が増えるほど、
身体感覚はゆっくりと戻ってきます。
Q3:疲れているのに休めません。
それは思考が身体より強く働いている状態。
「休んではいけない」という思い込みが、
身体の声をかき消してしまっています。
休めないあなたが悪いのではなく、
“これまで生きてきた環境がそうさせた”だけなのです。
Q4:不安が強く、身体の緊張が取れません。
不安は身体が先に感じ、
思考が後から理由を探します。
つまり、
「不安=心の問題」ではなく
「身体の反応が先に起きている」 のです。
身体の緊張をゆるめることで、
不安は必ず弱まります。
Q5:眠れないのは、身体の声と関係がありますか?
大いにあります。
眠れない、途中で起きてしまう、朝がつらい――
これらはすべて、自律神経が“身体の声より思考が優位になっている”サイン。
思考のスイッチを切るためには、
身体に戻る習慣が何より効果的です。
カウンセリングで「身体と心をつなぎ直す」お手伝いをしています
Amazing Grace のカウンセリングでは、
「身体感覚を取り戻すこと」をとても大切にしています。
・呼吸の深さ
・身体の緊張
・姿勢や力の入り方
・感情が動いたときの身体の反応
・安心したときに起きる小さな変化
こうしたサインを一緒に確かめながら、
思考だけに偏っていた心を、
生き物としての自然なバランスへと戻していきます。
最後に ― 心が苦しいときは、いつも身体が知らせてくれています
もし今、
不安で落ち着かない、
頭が止まらない、
眠れない、
疲れが取れない、
うつのような落ち込みが続いている――
そんな状態があるなら、
それは“身体の声が置き去りになっているよ”というサインです。
あなたが弱いからではありません。
むしろ、ずっと頑張り続けてきた証です。
身体の声に少し戻るだけで、
不安は弱まり、
呼吸は深まり、
心は静かに整いはじめます。
Amazing Grace のカウンセリングでは、
その“戻るための小さな一歩”を、
あなたのペースで一緒に見つけていきます。
どうかひとりで抱え込まないでください。
自然のようにあたたかく、やさしく、
あなたが本来のリズムを取り戻せるよう寄り添っていきます。