2025/10/18
「嫌われたくない」という恐れ
〜自分を大切にしても関係が壊れないと信じるには、どんな体験が助けになる?〜
*はじめに
「自分の気持ちを優先したら、相手が離れてしまうかもしれない」
「断ったり意見を言ったら、嫌われるのではないか」
「本音を出したら、人間関係が壊れてしまう気がする」
そんな思いに、心が揺れることはありませんか。
人を大切にしようとする気持ちが強い人ほど、
“自分を大切にすること”を相手を傷つけることのように感じてしまうことがあります。
けれど、本当は――
自分を大切にすることと、関係を壊さないことは両立できるのです。
今日は、「自分を大切にしても関係が壊れない」と信じられるようになるために、
どんな体験やステップが助けになるのかを、優しく詳しく見つめていきましょう。
1.なぜ「自分を大切にすると関係が壊れる」と思ってしまうのか
(1) “我慢=やさしさ”と学んできた記憶
多くの人は幼い頃から、
「自分を抑えて我慢することが思いやり」
「人のために尽くすことが愛情」
と教えられてきました。
この価値観の中では、
“自分を優先する=相手を傷つけること”と誤解してしまいます。
でも実は、我慢は相手との距離を静かに広げてしまうもの。
なぜなら、抑えた気持ちはいつか疲れや怒りとなって表れてしまうからです。
(2)「NO」を言ったら“愛されなくなる”という恐れ
過去の経験で、
断ったら相手の機嫌が悪くなった、
意見を言ったら怒られた――
そんな出来事があると、心は「拒否=関係の終わり」と学習します。
でも、実際には「NO」を伝えることが関係を壊すのではなく、
伝え方やタイミングが大切なのです。
(3) “相手に合わせないと不安”という心のクセ
相手の感情を先に察して動いてしまう人ほど、
“合わせること”が安全であり信頼を保つ方法だと感じます。
けれど、それを続けていると、
“自分らしさ”が消えていくような空虚感が生まれます。
🌱 自分を大切にすることは、相手を拒むことではなく、
「本当の自分を知ってもらうこと」でもあるのです。
2.自分を大切にしても関係が壊れないと感じられるための3つの体験
🌿 体験1:小さな「正直さ」を受け入れてもらえた瞬間
たとえば、
「今日は少し疲れているから、また明日にしてもいい?」
そんな小さな“正直な言葉”を伝えたときに、
相手が「いいよ」「わかった」と受け止めてくれた経験。
それは、心にとって強い安心の記憶になります。
💫 この小さな体験が、「自分を大切にしても人は離れない」という
新しい信頼の芽になるのです。
🌸 体験2:相手も同じように「自分を大切にしている」姿を見る
他人が、疲れたときに休む・自分の意見を丁寧に伝える――
そんな姿を見たときに「嫌な気持ちにならなかった」と気づくことがあります。
✅ それは、あなたの中にも「自分を大切にしていい」という価値観が
自然に育ってきている証拠。
他者を通して、自分を許す感覚が広がっていきます。
🌼 体験3:境界線を引いたことで関係が深まった
一度きちんと距離を取ることで、
「あなたが無理していたんだね」と相手が理解してくれることがあります。
距離を置くことは、決して関係を切ることではなく、
**“再び健やかにつながる準備期間”**です。
🌷 “離れる”ことを怖がらずに、 “整える”ための時間として見つめてみてください。
3.実践のステップ:安心して自分を大切にするための練習
① 「私は私を大切にしていい」と声に出す
まずは言葉の力を借りましょう。
声に出すことで、脳はその言葉を“現実”として認識します。
朝や夜に、静かに唱えてみてください。
「私は自分を大切にしてもいい」
「私は自分を守っても、人を傷つけていない」
② “断る”のではなく、 “選ぶ”意識に変える
「断る=拒絶」ではなく、「選ぶ=調整」です。
選び方を変えるだけで、関係は穏やかに保てます。
たとえば:
「今は時間が合わないけど、また今度ご一緒したい」
「今回は見送るけれど、応援しています」
💫 “NO”の中にも“YES”の部分を伝えると、相手も安心します。
③ “関係の質”に意識を向ける
どれだけ多くの人に好かれているかより、
「本音を出しても安心できる人が一人いる」ことの方が、
心に深い支えを与えます。
🌿 つながりの“数”ではなく“質”を大切にすると、
嫌われることへの恐れはゆっくりと薄れていきます。
よくある心のQ&A
Q1. 自分を優先したら、相手に冷たい人と思われそうです。
→ 優しさと自己犠牲は違います。
「相手も自分も大切にする」ことが、本当の思いやりです。
その誠実さは、相手にも必ず伝わります。
Q2. 相手が不機嫌になったら、どうすればいいですか?
→ 不機嫌は“相手の感情”であり、 “あなたの責任”ではありません。
「あなたの気持ちはわかります。でも、私はこう考えています」と
冷静に伝える練習をしてみましょう。
Q3. 自分を大切にすることが、まだ怖いです。
→ まずは“自分を守る”ことから始めてください。
早く寝る・温かいお茶を飲む・静かに過ごす——
そんな小さなセルフケアが「自分を大切にしていい」という
体感を育てます。
Q4. 本音を言うと、相手が離れることもありますか?
→ はい、あります。
でもそれは“終わり”ではなく“自然な選び分け”です。
あなたを大切にする人だけが、残っていくのです。
Q5. 自分を大切にし始めたら、人間関係が変わってきました。これでいいのでしょうか?
→ それは良い変化です。
あなたが変わると、関係の形も自然に整い始めます。
新しい自分に合う関係が、これから少しずつ生まれていきます。
*最後に
自分を大切にできる人は、関係を育てられる人
自分を大切にすることは、
人とのつながりを軽んじることではなく、
より誠実に関わるための基盤づくりです。
本当の関係は、あなたが“無理をしている自分”ではなく、
“ありのままの自分”でいるときにこそ、静かに育っていきます。
🌷カウンセリングという“心を取り戻す時間”
もし今、
「自分を大切にするのが怖い」
「人の期待に応えることが優先になっている」
「自分を出すと関係が壊れそうで不安」
そんな想いを抱えているなら、
カウンセリングという安心の場で、
“自分を大切にしても大丈夫”という体験を一緒に重ねていきましょう。
静かに話しながら、自分の心の声を見つける時間。
その中で、あなたの中の“優しさ”が“強さ”へと変わっていきます。
💫 今日の小さな一言
「私が自分を大切にすると、人との関係もやさしく変わっていく。」
🌿 Amazing Grace カウンセリングでは、
「自分を犠牲にしない優しさ」「安心して関われる関係づくり」をテーマに、
心の回復と成長をサポートしています。
あなたが“自分を大切にすること”を、
安心して選べる日々になりますように。