2025/10/23
承認欲求の強さ
〜誰かの「ありがとう」がなくても、自分を認められる瞬間はどんなとき?〜
*はじめに
「一生懸命やったのに、誰も気づいてくれなかった」
「感謝の言葉がほしかっただけなのに、伝わらなくて悲しくなった」
「 “ありがとう”って言われたいわけじゃないけれど、何も言われないと少し切ない」
——そんな思いを抱えたことはありませんか?
それは決して悪いことでも、弱さでもありません。
それだけあなたがまわりの人の気持ちを感じ取る、思いやりの深い人だからです。
誰かに感謝されたり、認めてもらえると、
自分の存在が確かめられたようで、心がホッとします。
けれど、その言葉がもらえない日もあります。
そんなときこそ、自分の中にある“もうひとつの安心”に気づいてほしいのです。
それは、「ありがとう」がなくても、自分をちゃんと認められる力。
今日は、そのやさしい力を一緒に育てていきましょう。
1.なぜ「ありがとう」がないと、心が寂しくなるの?
🌿 (1) “認められることで安心する”経験をたくさんしてきたから
子どものころ、
「がんばったね」「えらいね」と言われるたびに、嬉しかった記憶はありませんか?
その小さな喜びが積み重なって、
「人から褒められると安心する」心の回路ができていきます。
💫 意味: それは「愛されたい」「大切にされたい」という自然な欲求。
だからこそ、 “ありがとう”を求める気持ちは、誰にでもあるやさしい心の証です。
🌸 (2)「言葉がないと、伝わっていない」と思いやすいから
私たちは、言葉を通して安心を感じます。
だからこそ、感謝の言葉がないと「私の想いは届いていないのかも」と不安になってしまうのです。
でも、実際には言葉にならない“感謝”もたくさん存在します。
たとえば、
あなたがした小さな親切が、誰かの心を静かにあたためていたり、
あなたの笑顔が、誰かの一日を明るくしていたりするのです。
🌷 意味: 感謝は「言葉」だけではなく、「空気」や「行動」の中にも流れています。
目に見えなくても、あなたの優しさは、確かに誰かに届いています。
🌼 (3) “他人の評価”と“自分の存在価値”を重ねてしまうから
感謝されないと、「自分のやったことに意味がなかったのかな」と思ってしまう。
でも、それは“他人の評価”を“自分の価値”と結びつけてしまっている状態です。
他人の反応は変わります。
けれど、あなたがそこに込めた想いは、変わりません。
💫 意味: 感謝されることと、自分が価値ある存在であることは別。
あなたが誰かを思って行動した、その心のあたたかさが、何よりも尊いのです。
2.「ありがとう」がなくても、自分を認められる3つの瞬間
🩵 ① 誰も見ていなくても、丁寧に行動できたとき
たとえば、疲れていたけれど食器を片づけた。
誰も見ていないのに、職場の共有スペースをきれいにした。
そんな小さな行動の中にも、
あなたの「誠実さ」や「優しさ」が確かに息づいています。
🌿 意味: 人が見ていないところで丁寧に生きられる人は、
自分の中に“静かな誇り”を持っています。
それが「自分を認める力」の根っこになるのです。
🌸 ② つらくても、少しでも前に進もうとしたとき
気持ちが落ち込んでいたのに、仕事に行った。
涙が出そうな夜も、翌朝にはまた顔を上げた。
誰かに褒められなくても、それは十分に立派なことです。
あなたの中には、どんなときも前を向こうとする力がちゃんとあります。
💫 意味: 自分を支えるのは、「結果」よりも「続ける意志」。
その小さな一歩が、あなた自身を一番深く癒してくれます。
🌼 ③ 人のためにした行動が、自分の心にもあたたかさを残したとき
誰かのためにそっと気づかいをした。
困っている人に声をかけた。
それを見返りを求めずにできたとき、
あなたの中に生まれている“やわらかい満足感”は、まぎれもなく自己承認のサインです。
🌷 意味: 「ありがとう」が返ってこなくても、
あなたの中には「してよかった」という静かな光が残ります。
それが、心が自分を認めている証なのです。
3.自分を認める力を育てる3つのやさしい習慣
🌿 習慣1:「今日の“よくやったこと”を3つ見つける」
夜寝る前に、こんな問いかけをしてみてください。
「今日、自分がよくやったことはなんだろう?」
たとえば——
朝ちゃんと起きられた
優しい言葉をかけられた
いつもよりゆっくり呼吸できた
小さなことでも構いません。
書き出すことで、 “他人の評価”ではなく“自分の感覚”が戻ってきます。
💫 意味: 自分の努力を自分で見つけることが、「ありがとう」がなくても安心できる心を育てます。
🌸 習慣2:「自分の名前を呼ぶように“ありがとう”を言う」
たとえば、
「〇〇(自分の名前)、今日も一日がんばったね」
「しんどかったけど、よく耐えたよ」
そんなふうに、自分にやさしく声をかけてあげてください。
🌷 意味: 自分をねぎらう言葉は、心の中の“安心スイッチ”。
誰の言葉よりも、あなた自身の「ありがとう」が一番深く心に響きます。
🌼 習慣3: 「 “誰かのため”が、 “自分の幸せ”になる瞬間を感じる」
人のために動いたとき、
「ありがとう」と言われなくても、どこか心が温かくなることがあります。
それは、あなたの優しさが“与える喜び”に変わった瞬間です。
💫 意味: 人を想うことは、同時に“自分を満たす行為”でもあります。
感謝を待たなくても、心の中にはちゃんと“満たされる場所”があるのです。
*よくある心のQ&A
Q1. 感謝されないと、空しい気持ちになります。
→ それは、あなたが“人を大切にしている”証拠です。
ただ、その大切さを相手の言葉に求めるより、
「私はできることをした」と自分にやさしく言ってあげましょう。
Q2. 感謝されない人に、イライラしてしまいます。
→ それは“頑張った自分を見てほしい”心のSOSです。
怒りを感じたときこそ、自分の中の「疲れ」をいたわってあげましょう。
Q3. 自分を認めるのがどうしても苦手です。
→ “認める”とは、 “否定しない”ことから始まります。
「今日はできなかったけど、挑戦した自分は確かにいた」
そう思えたら、それがもう立派な自己承認です。
Q4. 自分に「ありがとう」を言ってもピンときません。
→ 最初はそう感じても大丈夫です。
続けていくうちに、言葉が心に染みてくる日が必ず訪れます。
Q5. 他人の言葉に一喜一憂してしまいます。
→ それは、人と丁寧につながろうとする“優しさ”の表れです。
その優しさを、今度は自分にも向けてあげてください。
*おわりに:見返りのない優しさが、あなたの心を照らす
“ありがとう”がなくても、あなたのしていることは無駄ではありません。
誰かが気づいていなくても、あなたの行動は確かに誰かの心を支えています。
🌷 感謝は、相手の言葉ではなく、
あなたの中の“愛の証”としてもうすでに存在しているのです。
今日も、あなたの中に静かに光る「誠実さ」や「思いやり」を、
どうか大切にしてあげてください。
💫 今日の小さな一言
「 “ありがとう”がなくても、私は知っている。
今日も誰かのために、やさしく生きていたことを。」
🌿 Amazing Grace カウンセリングでは、
「他人の反応に揺れず、自分の中で満たされる生き方」をテーマに、
自己承認・感情整理・人間関係の疲れの回復をサポートしています。
“ありがとう”がなくても心が温かくいられる——
そんなあなたらしい優しさを、ゆっくり育てていきましょう。