2025/10/24
承認欲求の強さ
〜「役に立たなくても価値がある」と感じるために、何を見つめ直すといい?〜
*はじめに
「人の役に立てないと、自分の居場所がないように感じる」
「何もしていないと、不安になる」
「 “ありがとう”が聞こえないと、私はダメなんじゃないかと思ってしまう」
——そんな気持ちを抱えたことはありませんか?
それは、あなたがとても優しく、まっすぐに生きてきた証拠です。
人を思いやり、助け合い、支え合うことを大切にしてきたからこそ、
“役に立つこと=自分の存在価値”と結びついてしまったのかもしれません。
でもね、
「誰かの役に立たないと価値がない」なんてことは、決してありません。
あなたは、 “何かをしているから大切”なのではなく、
“ここにいるだけで大切”な人なのです。
今日は、「役に立たなくても、私は意味のある存在だ」と
少しずつ感じられるようになるための、やさしい見つめ直しをしてみましょう。
1.どうして「役に立たない自分」が怖くなるの?
🌿(1)「認められること」で安心してきたから
子どもの頃、
「えらいね」「助かったよ」「すごいね」と言われたときの嬉しさを覚えていますか?
その瞬間、心が温かく満たされて、
「人に喜ばれるって、こんなに嬉しいんだ」と感じたはずです。
その記憶が、今も心の中に残っているのです。
だから、大人になっても「誰かの役に立てていない自分」を
どこかで“価値のない自分”と感じてしまう。
🌷 でも本当は——
誰かに喜ばれなくても、あなたの存在そのものが“あたたかさ”なのです。
ただ生きていること、それ自体が、誰かに安心を与えています。
🌸(2)「比べること」で価値を決めようとしてしまうから
まわりの人が頑張っている姿を見ると、
「自分は何もできていない」と焦ってしまうことがありますね。
けれど、花が咲くタイミングが一輪ずつ違うように、
人にもそれぞれ“動く時期”と“休む時期”があります。
今のあなたが“止まっているように感じる”としても、
実は心の奥では、新しい芽を育てている最中なのです。
💫 意味: 「動けない自分」も、 “育っている途中”の大切な姿。
人生には、 “根を伸ばす時間”も必要なのです。
🌼(3)「役に立つ=存在意義」と思い込みすぎてしまうから
社会の中では、「何を成し遂げたか」「どう貢献したか」が
価値の基準にされがちです。
だからこそ、
「何もしていない自分」「役に立っていない自分」を
責めるように感じてしまう人が少なくありません。
でも、誰かに優しい言葉をかけられなくても、
何かを生み出していなくても、
あなたが“ここにいる”だけで、
まわりの人の世界はちゃんと変わっています。
🌷 意味: あなたの存在は、もうすでに“優しい影響”を与えている。
空気をやわらげたり、場を穏やかにしたり——
それだけで、十分すぎるほど“役に立っている”のです。
2.「役に立たなくても価値がある」と感じられる3つの見つめ直し
🩵 ① 「 “している自分”より、 “いてくれる自分”に目を向ける」
あなたが誰かのそばにいるだけで、
安心したり、笑顔になれる人が必ずいます。
たとえば、
・家族があなたの声を聞いてホッとする瞬間
・同僚があなたの存在で場の空気を感じ取っている瞬間
・友人が「あなたがいてくれるだけで落ち着く」と思っている瞬間
💫 意味: “してあげること”より、 “いること”が人を救うときがある。
あなたは、存在だけで誰かの心をやわらかくしています。
🌸 ② 「何もしていない時間にも、意味がある」
ぼんやり過ごす時間、
少し立ち止まって深呼吸する時間、
何もしないまま空を眺める時間。
その静けさの中で、
あなたの心は“回復”し、 “次に動く力”を少しずつためています。
🌿 意味: 「止まっているように見える時間」は、 “エネルギーをためる時間”。
無駄ではなく、 “次のやさしさを育てている時間”なのです。みんな充電が必要なのです。
🌼 ③ 「 “価値”を結果ではなく、 “存在の美しさ”で感じる」
自然を見てください。
花は人の役に立とうと思って咲くわけではありません。
風も、太陽も、何かのために吹いたり照らしたりしているわけではありません。
それでも、私たちはそれらを見て「きれいだな」「ありがたいな」と感じます。
🌷 意味: あなたもそれと同じ。
“何かをするために”ではなく、 “ここにある”だけで、すでに美しい存在なのです。
3.心をやさしく整えるための3つの習慣
🌿 習慣1:「 “できなかった日”にも、ひとことねぎらう」
「今日は何もできなかったけど、それでもよく生きていたね。」
そんな言葉を、自分にかけてあげてください。
人は“励まし”よりも、 “理解”の言葉で癒されます。
💫 意味: 「できなかった自分」も、「がんばった自分」も、
どちらもあなたの大切な一部。認めてあげることで、心に温かい光が戻ります。
🌸 習慣2:「 “いてくれてありがとう”を、自分にも言ってみる」
「今日もここにいてくれてありがとう」
「ちゃんと呼吸して、ちゃんと生きてる。それだけで偉いよ」
この言葉は、まるで心の中に小さな灯りをともすようなものです。
あなたの存在を、あなた自身が受け止めること。
それが、心を支える一番の力になります。
🌼 習慣3:「 “何もしていない時間”を“自分の味方”にする」
たとえば——
・あたたかいお茶を飲む
・風の音を感じる
・ゆっくり呼吸する
それだけでいいのです。
何かを“する”時間ではなく、 “感じる”時間を少しだけ増やしてみましょう。
🌷 意味: “役に立たない時間”こそ、あなたの心を育てる時間。
その静けさが、次の優しさを生み出していきます。
*よくある心のQ&A
Q1. 何もしていないと、罪悪感があります。
→ それは「誰かの役に立ちたい」というあなたの優しさの表れ。
ただ少し、休む時間にも“意味”があることを思い出してください。
Q2. 誰かに迷惑をかけている気がします。
→ 助けてもらうことも、愛の形です。
“与えること”と“受け取ること”は、どちらも優しさの循環の一部。
Q3. 頑張っても評価されないと悲しいです。
→ その悲しみを否定しなくて大丈夫。
「悲しい」と感じられる心のやわらかさは、あなたの人間味そのものです。
Q4. “いるだけでいい”と言われても信じられません。
→ 無理に信じなくても大丈夫。
少しずつ、「それでも、そうであってほしいな」と思えるところから始めましょう。
Q5. 自分の存在に意味があると思えないときは?
→ そんなときは、自然の中に出てみてください。
風や光に包まれてみると、「存在するだけで美しいものがある」と気づけます。
あなたも、まったく同じです。
*おわりに:あなたが“ここにいること”が、すでに贈りもの
「役に立たないといけない」——
その思いの奥には、「人の力になりたい」「喜ばせたい」という
やさしい願いがあります。
でも、どうか思い出してください。
あなたがいること自体が、もうすでに誰かの救いになっているということを。
🌷 「いてくれるだけでいい」
そう思っている人が、あなたのまわりにきっといます。
今日も、がんばらなくても、役に立たなくても、
あなたの存在は静かに世界をあたためています。
💫 今日の小さな一言
「私は“何かをしている”から価値があるのではない。
“ここにいる”ことが、もう価値なのだ。」
🌿 Amazing Grace カウンセリングでは、
「頑張りすぎてしまう心」や「役に立たなければと焦る気持ち」をやさしく整理し、
“何もしなくても安心できる自分”へと整えていくお手伝いをしています。
あなたの存在が、もっと穏やかに、自分自身に愛されますように。